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転炉

このページでは、製鉄業界における「転炉」の排ガス処理設備として用いられている「転炉排ガス処理設備」について、その仕組みや特徴、転炉排ガス処理設備を導入するメリットなどを分かりやすく解説しています。

転炉排ガス処理設備の特徴

転炉とは?

転炉とは、製鉄所で鉄鋼製品を製造するために用いられる設備です。

製鉄加工の工程では、まず鉄鉱石とコークスを炉(高炉)へ入れて、炉の下から高熱を当てて鉄鉱石を溶かし、コークスによって酸素を除去しながら溶けた鉄(銑鉄)を作ります。

転炉は、高炉から銑鉄を入れ替えられる炉のことで、銑鉄を流し込まれた転炉へ高圧の酸素を吹き付けることで、炭素やリンといった不純物の酸化反応を促してそれらを除去します。

転炉は鉄の純度を高める上で欠かせない工程ですが、一方で転炉を行う際には一酸化炭素ガス(COガス)など様々な不純物の混じったガスが発生するリスクも問題です。

転炉排ガス処理設備の特徴

転炉排ガス処理設備とは、転炉の上部などに設置されて、転炉の工程において発生するガスや熱を回収・処理するための設備です。

例えば、転炉排ガス処理設備には部分燃焼型転炉排ガス処理設備(OG設備:Oxygen Converter Gas recovery System)があり、転炉排ガス(COガス)の燃焼を抑えながら冷却・集塵・回収を行うことが目的です。

転炉排ガス処理設備の概要やメカニズム

高温の銑鉄に高圧の酸素ガスを吹き付けて、銑鉄に含まれている不純物を酸化させて除去する転炉において、実際には様々なガスが発生します。

基本的に、転炉から生じる排ガスの大部分は高濃度の一酸化炭素ガス(COガス)です。

転炉排ガス処理設備では、例えば転炉から発生した高温のCOガスを冷却器によって冷却し、あるいは接触式ボイラを導入して、顕熱を蒸気として回収します。また、排ガス中に含まれていた粉塵(ダスト)はさらに冷却されて集密化され、フィルターなどによって集塵されるという流れです。

実際には排ガスの種類や製鉄設備の規模などに応じて、カスタマイズされた転炉排ガス処理設備が導入されます。

転炉で発生する排ガスの種類

転炉や製鉄加工の過程で発生するガスには様々なものが存在します。

転炉ガス(LDG)

転炉が必要な銑鉄には、およそ4%の炭素が含まれており、それに高圧の純酸素を吹き付けることで一酸化炭素ガスや二酸化炭素ガスを発生させ、銑鉄内に含有される炭素を不純物として除去するという仕組みです。

言い換えれば、転炉では必ず高濃度の一酸化炭素ガスや、あるいは低濃度の二酸化炭素、さらに水素や窒素など様々なガスが発生します。そしてこれらの転炉によって生じるガスを「転炉ガス(LDG)」と総称します。

コークス炉ガス(COG)

コークス炉ガス(COG)とは、コークス炉で石炭を乾留した際に発生するガスの総称です。コークス炉ガス(COG)には高濃度の水素やメタン、さらにエチレンや一酸化炭素といったガスが含まれており、製鉄所ではコークス炉ガスなどを燃料として燃焼工程を実現しています。

そのため、コークス炉ガスもまた転炉や製鉄業界に関連するガスの1種と考えられるでしょう。

高炉ガス(BFG)

鉄鉱石とコークスを混ぜて銑鉄を作る際に発生するガスです。

主催分は窒素(60%)と一酸化炭素(27%)となっており、さらに少量の水素や二酸化炭素などを含有しています。

転炉で発生する排ガスの再利用

転炉などで発生したガスには水素やメタンといった成分が含まれており、それらは発生と同時に回収されて再び気体燃料として再利用されていることも重要です。

転炉の排ガス処理設備の事例

各メーカーで取り扱っている転炉の排ガス処理設備を紹介します。

OG設備(スチールプランテック株式会社)

転炉排ガス処理設備の直上に設置されて、転炉排ガスの燃焼を抑えて回収・集塵する設備です。

OG設備
画像引用元:スチールプランテック株式会社(https://steelplantech.com/ja/product/og/)

製鉄工業用バグフィルタ(三菱重工パワー環境ソリューション株式会社)

製鉄所の転炉で発生する集塵を除去するため、濾布9mという脈動逆圧払い落し方式バグフィルタを採用した事例です。

製鉄工業用バグフィルタ
画像引用元:三菱重工パワー環境ソリューション株式会社(https://power.mhi.com/jp/group/es/products/bugfilter/case)

(三菱重工パワー環境ソリューション)について詳しく見る

排ガス冷却システム(株式会社いけうち)

高炉ガスや転炉排ガスなどを冷却して、バグフィルタで集塵できるようにガスの温度を冷やす設備となっています。

排ガス冷却システム
画像引用元:株式会社いけうち(https://www.kirinoikeuchi.co.jp/products/unit-system_reikyaku/1109)

まとめ

転炉は製鉄加工において不可欠な工程ですが、同時に高濃度・高温の一酸化炭素ガスなど様々な排ガスが発生することも重要です。

また、ガスを回収して気体燃料として再利用することも可能であり、安全性や効率性も考慮した排ガス処理設備の導入がポイントとなります。