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白煙除去装置

工場の煙突や車のマフラーなどから排出される白煙。モクモクと排出され続ける白煙は、まるで公害の象徴のようでもあります。 ここでは、排ガスの白煙化がもたらす問題や白煙化の原因と対処法、白煙除去装置の概要などについて解説しています。

排ガスの白煙化がもたらす問題とは

排ガスの白煙化をめぐっては諸説あります。「白煙の正体は水蒸気なので、白煙自体に問題はない」とする考え方もあれば、「白煙を形成する排ガスには窒素酸化物が含まれているので問題がある」とする考え方もあります。 自治体の中には「白煙には問題ない」とする立場を取り、白煙除去に使うエネルギーを発電に回しているところもあるようですが、白煙の良し悪しに関する議論は、まだ足並みが揃っていないと言わざるを得ません。

ただし一部の研究によると、排ガスの白煙化は工場の設備に直接ダメージを与えることは事実のようです。高額な投資をして導入した設備なので、白煙による設備の劣化は避けたい問題です。

白煙の種類と対処の難しさについて

工場等の設備における白煙の発生の原因には主に以下の2つがあります。

これらのケースで発生する白煙はケミカル白煙や白煙状ヒューム、オイルミストと呼ばれます。

粒子の大きさが1ミクロン以下と小さく、ミスト粒子がガス分子と衝突することで流線と関係なく不規則な動きをするため、⼀般的な充填スプレー式のスクラバーやワイヤーメッシュタイプの除去装置ではほとんど捕集不可能です。 このため、工場の設備等から発生する白煙の除去には特殊な除去装置が必要になります。

白煙除去装置とは

白煙除去装置とは、上記のような簡単には除去できない白煙を除去するための専用装置のこと。技術的には「慣性衝突(エリミネーター等)」、「さえぎり」、「ブラウン拡散」などの理論により白煙の除去を目指す装置です。

これらのうち「慣性衝突(エリミネーター等)」や「さえぎり」には、一定の白煙がすり抜けてしまう欠点がありますが、「ブラウン拡散」の場合には白煙のすり抜けがほとんどないため、現場では非常に注目されています。

白煙除去の仕組み

ブラウン拡散タイプの白煙除去装置について、白煙を除去する仕組みを簡単にご紹介します。 まずは濾過流速が低く設定されます。低く設定された濾過流速により、ミスト粒子が特殊グラスファイバーフィルターを通過する際、多方向へと運動。ミスト自らがグラスファイバーに接触し捕集される、という仕組みです。 捕集されたミストは、その周辺で捕集されたミストと融合。少しずつ粒子を大きくし、やがてガスの流線に沿って流れていきます。流れた水とはフィルター外壁に沿うように、フィルターの下方向へと排出される形となります。

白煙除去装置対応のメーカー一覧

ハイポテック:多彩な白煙除去装置に対応するメーカー

1997年に設立され、各種環境プラントエンジニアリング事業を手がけている株式会社ハイポテック。排ガス処理装置やガス精製装置、濃縮・希釈装置などの設計・製作・施工、およびメタン発酵などによる再生エネルギー事業を行っている会社です。

白煙除去装置の製造・設置も得意分野の一つで、塩酸白煙、硫酸白煙、塩化第二銅ヒューム白煙、ガリウム白煙、過塩素酸白煙、ボウ硝(硫酸ナトリウム)白煙などの処理設備に対応。既存装置のメンテナンスサービスも行っています。
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日本フィルトレーショングループ株式会社:各種工場や厨房の煙・臭いを効率的に除去

1912年に創業した東京牛込の鍛冶屋が前身。戦後、日産自動車やいすゞ自動車などからの資本参加も得て、急速に事業を拡大した会社です。

メイン事業として取り組んでいる分野は、環境保全を見据えた効率的なろ過システムと分離ソリューション。厨房や菓子工場、機械加工工場などから発せられる煙や臭い、油などを効率的に除去する「ダッシュシリーズ」は、同社が販売している代表的な排煙処理製品です。

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株式会社協立製作所:ブラウン拡散運動を利用して微細ミストもしっかり捕集

埼玉県所沢市に本社のある株式会社協立製作所。1968年の創業以来、一貫して研究実験設備に関連するサービスに携わってきた会社で、その開発力・技術力を活かす形で高性能な排煙除去装置を提案しています。

採用している白煙除去システムは、「ブラウン拡散運動」を利用してミストを捕集するというもの。従来のシステムでは捕集が難しいとされた微細なミストまで、しっかりと捕えてフィルター下方へと導くシステムです。

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株式会社ダルトン:あらゆる酸のヒュームに有効な白煙除去装置

株式会社ダルトンは、各種科学機器の製作・販売事業からスタートした1939年創業の老舗企業。時代とともに事業内容の深化と拡大を進め、2022年現在では、科学・研究事業の他にも、クリーン機器や教育施設、粉体機械、液処理装置などの幅広い事業分野を手がけています。

白煙除去装置としては、湿式排ガス処理装置と組み合わせた「RHD」を取り扱い。スクラバーで中和処理を行い、特殊フィルタでミストを濃縮して捕集する装置です。あらゆる酸のヒュームに有効。

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プリテクノジャパン株式会社:処理過程の排熱を再利用できるシステム

プリテクノジャパン株式会社は、三重県鳥羽市に本社を置く各種機械装置の設計・製造会社。主に廃液処理装置や蒸発・濃縮装置、排ガス処理装置、蒸留装置などの設計・製造を行っている会社です。

白煙除去分野では、廃液中の水分を蒸発させて濃縮・減容化を図る「蒸発・濃縮装置(蒸発式大容量)」を提案。処理過程で生じる排熱は、スラッジの乾燥装置や脱水装置の熱源に再利用することができます。

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ヤマト科学株式会社:様々な酸性ガスの白煙除去が可能

1889年(明治22年)に創業した長い歴史を持つヤマト科学株式会社。2022年7月現在、国内外に計29ヶ所の拠点を展開し、様々な業界向けの産業関連機器や試験装置などの開発・製造・コンサルなどを手がけている会社です。

白煙除去装置分野では、フィルター式白煙除去装置「CRH-20W」をリリース。塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、過塩素酸など、酸性ガスの白煙除去が可能な装置です。コンパクトサイズなので設置場所に困らないことも特徴。

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サンテクノ株式会社:湿式ろ過法を採用した高性能な白煙除去装置

サンテクノ株式会社は、1974年(昭和49年)に創業した環境保全分野のトータルメーカー。工業用・産業用機器の豊富なラインナップを用意し、柔軟なカスタム力で各顧客に応じたきめ細やかなサービスを提供している会社です。

白煙除去装置分野では、湿式ろ過法を採用した「スーパーヒューマー」を製造・販売。ろ過体内でのガス吸収力を通じ、充填層スプレー式のスクラバーでは除去不能な微細なヒュームも高効率で捕集する高性能装置です。

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セイコー化工機株式会社:ほぼノーメンテでランニングコストは電気代のみ

セイコー化工機株式会社は、1952年に創業した工業関連製品の総合会社。主に、ポンプや送風機、排ガス処理装置、白煙除去装置、脱臭装置など、環境保全に関連した工業製品を開発・製造している会社です。

白煙除去装置としては、ハイブリッド荷電式スクラバー「HES型シリーズ」を展開。効率的な白煙除去機能に加え、保守点検の容易さや省エネ性、設置場所をとらないコンパクトな設計が特徴の製品です。既存スクラバーとの組み合わせも可能。

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三貴製作所:3段階フィルターによる強力な白煙除去装置

1968年に創業して以来、一貫して地球環境の保全に関連した製品を開発・製造している三貴製作所。主にスクラバーやドラフトチャンバー、ダクトなどを主力製品とし、設置はもとより、設置後のメンテナンスにも力を入れている会社です。

白煙除去関連製品としては、コンパクトサイズの「617-10型」を展開。ウルパフィルター、ヴァニッシュフィルター、プレフィルターの3段階フィルター方式で、強力に白煙を除去します。テスト機で試用してから購入を検討することも可能。

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株式会社アコー:完全受注生産と自社一貫生産にこだわるメーカー

株式会社アコーは、1977年に創業した工場用集塵装置の総合メーカー。千葉、静岡、大阪の3ヶ所に営業拠点を構え、「完全受注生産×自社一貫生産」にこだわって製品作りを行っている会社です。

排ガス処理装置においては、サブミクロン粒子からグラインダー粉塵までカバー範囲の広い「スモッグホッグ」を販売。静電気の安定的な力で、工場内で発生する様々な煙の除去を行います。圧損が少なく省エネルギー。

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リックス株式会社:ミスト白煙から有毒ガスまで幅広く対応

リックス株式会社は、福岡県に本社を置く1907年(明治40年)創業の老舗企業。流体応用機器や精密自動・計測機器などの製造販売を中心に行っている東証プライム市場上場の大手企業です。

環境関連装置の製造にも積極的で、排煙除去装置として「FRP製スクラバー装置」をリリース。排ガス、悪臭ガス、有毒ガスの処理機能とともに、水蒸気ミストによる白煙除去機能も搭載した汎用性の高いスクラバーです。塔高が低いため、屋内にも無理なく設置が可能。

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ボルカノ株式会社:創業以来一貫して環境保全機器を提供している専門企業

ボルカノ株式会社は、大阪に本社を置く1923年(昭和3年)創業の企業。昭和、平成、令和の3時代を通じ、一貫して舶陸用燃焼機器と環境保全機器の提供を行っている会社です。

環境保全分野の主力製品の一つとして、大型の廃液・排ガス処理装置の設計・設置に対応。有機高濃度廃液の処理、無機塩含有廃液の処理、白煙防止機能などを搭載した設備で、白煙防止においては、プラントに応じて減湿法と希釈法の2つの方法を提案可能です。

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エンバイロ・ビジョン株式会社:オゾン水への吸着で白煙や悪臭を除去

エンバイロ・ビジョン株式会社は、2006年に設立された環境ビジネス関連の総合会社。環境用機械・設備を始め、薬品やバイオ、資材、コンサルティングなど、環境に関連した幅広いサービスを提供している会社です。

各種工場における環境対策設備として、粉塵や油煙、ミスト、悪臭などを除去する「ケスマック」を取り扱い。原因物質を機内のオゾン水に吸着させることで、汚れが除去された空気を排出するジェット水流式の設備です。

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テックプロジェクトサービス株式会社:国内外で100基以上の納品実績を持つ排煙脱硫設備

テックプロジェクトサービス株式会社は、千葉県習志野市に本社を置く各種プラント事業の大手。同じく習志野市に本社を置く大企業「東洋エンジニアリング」のグループ会社として、プラント事業の他にも保全事業、環境設備事業、医薬ファイン事業などを手がけています。

排煙装置分野では、推算かマグネシウム法排煙脱硫プロセスを応用した高効率な排煙脱硫設備を提案。国内外で100基以上を納品した実績のある製品です。

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まとめ

排ガスの白煙化については、害があるという説と害がないという説が混在しています。ただし、白煙の基となる排ガスの中には窒素酸化物などの有害物質が含まれていることは事実です。また上述の通り、白煙そのものが工場内の設備の老朽化を促進させることも事実です。 すでに窒素酸化物を除去する装置(排煙脱硝装置)を導入している工場は少なくありませんが、白煙除去装置は十分に普及しているとは言い難い状況です。設備の劣化スピードを抑えるため、白煙を排出する工場では早期の白煙除去装置の導入が望まれます。