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排ガス処理のコスト

排ガス処理にはどのくらいのコストがかかるのかご存知でしょうか。ここでは、排ガス処理の初期投資やランニングコスト、コストを抑える方法を解説します。

排ガス処理の初期投資

排ガス処理を開始するためには、設備費が必要になります。ここでは例としていくつかの製品を挙げて、排ガス処理の初期投資についてご紹介しましょう。

乾式スクラバー GF14

有機溶剤や悪臭を活性炭で除去する排ガス処理装置です。不要性ガスや容器溶剤をチャンバー内に設けた粒状活性炭で吸着除去する仕組みとなっています。有機溶剤使用事業所の排ガス処理に適しています。価格は約109万円(税不明)。

乾式小型スクラバー HFF14

不要性ガスや有機溶剤、悪臭などを活性炭で吸着除去する処理装置。キャスター付きで移動も簡単にでき、幅広い使い方ができます。価格は約131万円(税不明)です。

ヒーター式排ガス処理装置 GMシリーズ

電子部品の脱脂工程やセラミックの仮焼成工程で発生した、有機物を含む排ガスにフレッシュエアを添加し最高850度の高温で処理します。排ガス中のバインダー・添加剤成分を分解して排出可能。マッフル外部加熱方式を採用し、能力の低下なく排ガス処理ができます。価格は164万円(税不明)です。

触媒燃焼式脱臭装置

VOC廃棄を貴金属触媒を用いて低温で分解処理する装置。価格は280万円(税不明)です。

排ガス処理のランニングコスト

排ガス処理装置を稼働させるための費用も掛かるので確認しておきましょう。

直接燃焼方式

直接燃焼方式はVOCの種類によらず安定した処理が行えます。触媒燃焼方式における触媒の被毒や蓄熱燃焼方式における蓄熱体の目詰まりなどがありません。しかし低濃度VOCの場合、VOCの発熱量付属により灯油や液化天然ガスなどの補助燃料が必要になることがあります。装置によって熱回収が工夫されているものの、ランニングコストは高額になってしまうでしょう。

10,000㎥/hを処理できる直接燃焼方式装置のランニングコストは、年間評価換算値で約9,000万円。上記で熱回収をした利益を差し引いたコストとなっています。このうち、補助燃料の費用は8,680万円/年。補助燃料がかなりの割合を占めています。

蓄熱式燃焼法

蓄熱式燃焼法式は熱回収効率が80~95%程度。ランニングコストを削減して運転できます。ロータリー式蓄熱燃焼装置の運転による費用は1,600万円/年。運転条件は次の通りです。

吸着方式

活性炭吸着塔による排ガス処理はイニシャルコストが安いのが大きな特徴。VOCの種類にも寄りますが、吸脱着を繰り返し使用する場合の吸着量は、活性炭の重さの10~20%程度とされています。風量400㎥/minで運転した場合のコストは約120万円/月です。

排ガス処理コストを抑える方法

排ガス処理コストを抑えるためには、装置の処理方式や性能などの選び方が重要です。ここではコストを抑えるポイントを解説します。

熱回収効率の高い装置を選ぶ

装置を導入する場合は、熱回収効率に注目しましょう。初期費用の安い装置でも、熱回収効率が悪ければランニングコストで損してしまう可能性があります。ランニングコストを削減できるよう、蓄熱燃焼方式を採用した装置や廃熱回収設備の導入を検討してみるとよいでしょう。

適切な処理風量に設定する

排ガス処理にかかるコストを削減するために重要なのが、適切な処理風量に設定することです。風量制御による省エネ運転ができる装置を検討してみるのも良いでしょう。

排ガス処理装置の選び方を知る