吸着法とは、乾燥している吸着材を利用して、酸性ガスや水銀、ダイオキシン類などの排出を抑えるのに活用されている方法です。吸着法を用いた排ガス処理方法の特徴やメリットなどについて解説します。
吸着法は、おもに活性炭やゼオライトなどの吸着剤を使い、汚染物質を吸着させた上で取り除く方法のことをいいます。地球環境の問題を考えた際にも汚染物質は正しく処理しなければなりません。
吸着法といっても使われている吸着剤にはいくつかの種類があるのですが、なかでもよく使われているのが、非常に微細な細孔を持つ活性炭です。活性炭を活用した方法は、溶剤ガスのほか、有機系臭気、その他臭などでも使われています。 活性炭は有害物質や異臭成分を吸着する特徴を持っています。
同じくよく使われている吸着剤であるゼオライトとは、沸石類と呼ばれる鉱物の総称のことです。脱臭や水質浄化があることから、消臭剤や根腐れを防ぐ目的で園芸などにも活用されています。
他にも、湿気を吸ったり吐いたりする吸放湿、土壌改良、吸水などの働きを持っているのが特徴です。活性炭と同じように細孔でその細孔内に入った分子を吸着し、その場にとどまらせる効果があるのが特徴です。
吸着法では、交換型または回収型の措置が使われています。交換型は定期的に吸着剤を交換しなければなりません。回収型については、吸着剤を交換することなく、吸着脱着を繰り返す形です。
これから排ガス処理装置の導入について検討しているのであれば、どちらのタイプを選択するのかについて検討が必要です。
例えば活性炭を活用術吸着法は、非極性物質の吸着において非常に優れています。特に、フロン113、トリクロロエタン、トリクロロエチレンなどのほか、塩化メチレン等に対する吸着性が高いです。
また、吸着剤の特徴をうまく用いることにより、揮発性有機化合物(VOC)の再利用ができます。一般的に温度が低く、圧力が高くなるほど吸着容量は高くなるため、温度と圧力を調整することにより吸着と脱着をコントロール可能だからです。特に圧力を利用して行う方法は排水が生じないメリットがあります。
活性炭などの吸着剤は使用し続けることによって効果が下がってしまいますが、定期的に交換することで吸着能力が元通りになります。一般的には3ヶ月~数年程度に一度交換すれば良いので、頻繁に交換する必要がないのもメリットといえるでしょう。
ただ、活性炭劣化物質を多く含むような場合については通常よりも交換頻度が高くなります。
活性炭はとても高性能の吸着剤ではありますが、活性炭が得意としているものや、そうでないものがあります。ですが、吸着剤には他にも化学吸着剤などがあるため、対象としているガスに合わせて選択することにより、除去効率を高めることが可能です。