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スクラバー

代表的な排ガス処理方式である乾式と湿式の概要を含めて、スクラバーという排ガス処理装置に関する基礎知識をわかりやすくまとめてみました。どのような排ガス処理をするのか、製品選定の要点を理解しておきましょう。

スクラバーのフロー図
引用元:株式会社ハイポテックHP(https://hipotech.co.jp/)

スクラバーの特徴

スクラバーとは、各種工場や処理設備などが稼働する際に生じる排ガス(ばいじん粒子や有毒ガスなど)を、安全な状態にして外部排出するための装置。スクラバー自体を排ガス処理装置や排ガス洗浄装置と呼ぶこともあり、大気汚染防止装置の一種といった方がいいかもしれません。
また、工場の排ガスと一口にいっても、その設備の種類や取り扱う物質などによって性質は異なるもの。その状況にマッチした排ガス処理をする必要があります。
その点、スクラバーには複数の処理方式があり、メーカーや製品によって除去対象ガスを明示しているものがあるなど、目的や利用シーンに合わせた製品選択が可能です。

スクラバー対応のメーカー一覧

ハイポテック:コストと耐蝕性の両立が叶うスクラバーメーカー

東京八丁堀に本社を置くハイポテック。1997年に創業して以来、環境プラントエンジニアリング事業を専門分野とし、様々な業界に向けて高性能な排ガス処理設備・排水処理設備の提供を行ってきた会社です。

特にスクラバーの設計・施工の実績が豊富で、各種工場に設置する大型の「充填スクラバー」やマイクロ化学プラント向けの「マイクロガススクラバー」を軸に、現場の要望に合わせたスクラバーを1つ1つオーダーメイドで設計・製作しています。
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駒沢工業:アルマイト処理の設備メーカー

駒沢工業は、1967年に東京大田区で創業した各種工業設備・工事を専門とする会社。排ガス処理スクラバー、局所廃棄設備、脱臭装置活性炭吸着脱臭設備、メッキ設備などの設備部門を中心に、各種工業製品の製作・加工やプラント工事、メンテナンス工事などを行っています。

排ガス処理スクラバーは30年以上にわたって手がけている主要業務の一つで、これまで培った経験と技術を基に、現場に即したスクラバーの設計・製作・施工を行っています。

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アイエンス:有機系ガスに強みを持ったスクラバー

大阪市西区に本社を置き、神戸や東京などにも拠点を展開している株式会社アイエンス。水の浄化技術の専門会社として、産業排水処理事業、循環水浄化リサイクル事業、地下水処理事業などをメインに行っています。

水浄化から生まれた独自の技術を応用し、水膜式スクラバー「デオライザー」を排ガス処理装置として製作。水膜とスクリーンに排ガスを通して臭気・汚染物質などを取り除く高性能スクラバーです。「デオライザー」は、2021年7月「第47回中小企業長官賞」を受賞。

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セイコー化工機:型打ちの装置を取り扱うスクラバーメーカー

セイコー化工機は、1952年に創業した老舗の工業関連製品企業。主に、ポンプ、送風機、排ガス処理装置、耐食化学装置、脱臭装置、白煙除去装置などの設計、製作、施工を行っている会社です。

環境関連の工業製品を主力事業としていることから、スクラバーの取り扱い実績も豊富。回転式スクラバー、ハイブリッド荷電式スクラバー、ベンチュリースクラバー、特殊ガス処理スクラバー、エコ回転体式スクラバーなど、現場のニーズに応じた様々な製品をリリースしています。

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協立製作所:研究実験設備のメーカー

1968年の創業以来、研究実験設備に関連するサービスに取り組んできた協立製作所。研究実験設備のコンサルティングや新設を始め、システム開発や基本設計、施工、メンテナンスに至るまでワンストップで対応している会社です。

実験設備のトータルサポートの一環として、化学実験室や化学工場向けのスクラバーも用意。設備の種類や規模などに応じ、湿式スクラバーや乾式スクラバー、小型スクラバーなど複数の製品を展開しています。

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協和化工:高い省エネルギー化にこだわった排ガス処理機器

東京新宿に本社を置き、仙台、埼玉、名古屋、福岡、上海などに拠点を構える協和化工。官公庁や都道府県を始め、数々の大手企業との取引がある実績豊富な会社です。

「きれいな大気を守る」ことを企業の目標とし、スクラバー、脱臭装置、空調設備などの設計・製作・施工を提供。無充填湿式スクラバー、横型充填式スクラバー、排オゾン処理装置、電気集じん装置など、地球環境を守るための多彩な製品ラインナップを用意しています。

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三貴製作所:ポリプロピレン製のスクラバー/型打ちの装置あり

1968年に創業し、以来一貫して地球環境問題に関連した各種製品作りを行ってきた三貴製作所。スクラバー、ドラフトチャンバー、ダクト、空調関連のメンテナンスなどを主力業務とし、国内外に広くサービスを提供している会社です。

プラントのニーズに応じた大型・小型の多彩なスクラバーを用意している三貴製作所ですが、中でも特に小型スクラバーが得意分野。湿式・乾式のそれぞれから、多くの自社オリジナル製品を展開しています。

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日東化工機:低ランニングコストの無充填スクラバー

1935年に創業した脱臭・洗浄・排ガス処理装置などの製作を専門とする日東化工機。東京、千葉、埼玉、栃木などの他、中国上海にも拠点を展開するグローバルな老舗企業です。

同社の技術を結集した「無充填・気液混合式 PBスクラバー」は、メンテナンスもほとんど必要ない手間要らずの排ガス装置。PB気液混合方式によるガス液接触の向上により、スクラバー本体のコンパクト化も実現しています。対象設備は化学プラント、メッキ工場、研究施設、半導体工場など。

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ミウラ化学装置:水処理・ガス処理ともに出来る専門メーカー

大阪府堺市に本社および本社工場を構えるミウラ化学工業。1953年の創業以来、工業用ろ過装置、水泳プール用ろ過装置、排水処理装置、排ガス処理装置、脱臭装置など、環境対策に関連した製品のみを一貫して提供している会社です。

多彩な排ガス処理装置の中で、一般排ガス処理装置のカテゴリから除塵+ガス吸収装置の「トレイスクライバー」、除塵装置の「スキースクラバー」、排ガス吸収装置の「セミスクラバー」を用意。カスタム設計、据付工事、アフターサービスまで対応しています。

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排ガス処理は、除害すべき物質や対応方法によって、適した装置が変わってきます。そんな時に会社や排ガス処理装置をどう選べばいいのか、具体例と共に解説します。

排ガス処理装置の選び方を知る

湿式スクラバーの概要やメカニズム

湿式スクラバーとは、洗浄液や水を使って排ガス処理を行う装置です。主な方式である充填式、無充填式、サイクロン式、ベンチュリー式の4つについてを紹介します。

充填式スクラバー

複層化した充填材にシャワーをかけて排ガスを通過させる方式です。ガスと液の接触面積を大きくし、ガスの吸収効率を上げるのが特徴。充填式スクラバーは樹脂や塩ビの充填剤を採用している製品が一般的ではありますが、熱ガスの処理に強みを持つスクラバーだと独自素材を使っているケースも見られます。
注意点としては、充填物の交換コスト、メンテナンス費がかかること、充填物部分での閉塞の恐れがあることなどが挙げられます。

無充填式スクラバー

無充填塔式スクラバーは排ガスと水や薬液を混合して汚染物質を取り除き、その汚染物質を水で洗い流すことによって排ガスが浄化されます。接触媒体がないことで、洗浄塔内の圧力を削減できることと、充填材の交換・洗浄の手間を省けるのが特徴です。ただその分性能は充填式に比べて劣ります。

サイクロン式スクラバー

サイクロン式スクラバーは、装置内で渦流を発生させ、気液分離を行う仕組みです。充填材、多孔板の設置が必要なく、粉体や汚れによる目詰まりの心配がないのが特徴。比較的大きなダストの捕集ができるのもメリットと言えます。摩耗すると性能が低下するので、メンテナンスは定期的に行いましょう。

ベンチュリー式スクラバー

ベンチュリー式スクラバーは、管の縮流部に加圧した水を供給し、流れてきたガスで水を微粒化することで、粒子を捕集する仕組みです。装置粒子の捕集効率が高く、電気集塵やフィルター集塵に匹敵する性能を有しています。

乾式スクラバーの概要やメカニズム

乾式スクラバーとは、吸着剤を使ったフィルターに排ガスを通すことで汚染物質などを吸着させて、安全な状態の排気を行う装置です。吸着剤の代表格は活性炭で、微細な細孔に物質を吸着させる特性を利用したものです。活性炭吸着塔とも呼ばれる乾式スクラバーは、使用するにつれて汚染物質が溜まっていくこともあり、フィルターはカートリッジ式で交換しやすい構造になっている製品もあります。
除去したい物質によっては水に溶けにくいものもあり、こうしたケースでは湿式スクラバーよりも乾式スクラバーがベターです。乾式スクラバーは活性炭によって成り立っていると言っても過言ではないでしょう。

まとめ

スクラバーは排ガス処理装置を代表するプロダクトで、排ガス処理装置=スクラバーとして表現されるケースもあるほど。 一方、スクラバーの処理方式は乾式・湿式をはじめ複数の方式があり、さらに用途や利用環境による選定ポイントの違いもあることを理解しておきましょう。

また、スクラバーに限らず、排ガスを処理する方法は様々です。どの方式が自社に合っているか分からない、どこの会社に問い合わせればいいか迷っている方はトータルで排ガス処理の課題を解決できる会社に依頼するのがおすすめです。