スクラバーをはじめ活性炭や触媒酸化・燃焼など7種類に分けて排ガス処理の方式による違いを解説しています。工場によって設置している設備や扱う物質も異なるため、適切な装置選びに役立てましょう。
排ガス処理方式のバリエーションとして乾式と湿式の違いに関する説明もプラスしつつ、スクラバーという排ガス処理装置に関する基礎知識を簡潔にまとめてみました。大気汚染防止装置の一種でもあり、排ガス洗浄装置と呼ばれることもあるスクラバーについて、排ガス処理のメカニズムや、製品選びの役立ち情報をチェックしましょう。
一般家庭用の脱臭剤としてもよく知られている活性炭。ごみ処理工場をはじめとして、各種プラントでも有毒物質や異臭成分の吸着除去で物質特性を存分に発揮します。その活性炭を使った排ガス処理とはどういう仕組みによるものなのか、活性炭の形状や処理装置の構造による違いなどを中心にまとめてみました。
有機溶剤を取り扱う工場では対策が不可欠ともいえる排ガス中のVOC。光化学スモッグの原因ともされる物質であり、排ガス処理方式のひとつ、触媒酸化燃焼方式で対策することができます。その触媒酸化燃焼方式について、特徴やメリットとデメリットを解説しています。
排ガスに含まれる液体のミスト(液体の微粒子)の分離除去に優れる排ガス処理装置がミストエリミネーター。ワイヤーメッシュブランケットやワイヤーメッシュエリミネーターとも呼ばれ、ミストキャッチャー効果といわれる特性も解説します。どのような工場で使われているか、主だった工場・施設のジャンルもピックアップしてみました。
水と油のように比重が違う液体の分離だとイメージしやすいと思いますが、排ガス処理装置における遠心分離では、排ガス中の気体と、粉塵や粉体、ミストなどを分離除去するための手段として用いられています。排ガス処理装置の中では比較的コンパクトな設計も可能となる遠心分離について、その特徴や冷却効果などを紹介します。
フィルターに排ガスである含塵ガスを通すことによって、そこに含まれる粉塵などを分離除去するのがバグフィルター。バグフィルターは素材や形状、装置としての構造などもバリエーションが複数あります。素材でいえばポリエステルやポリプロピレン、ポリアミドなどが多いものの、木綿や羊毛から耐熱ナイロンやガラス繊維まで多様です。
排ガス中には粉塵やミストなど極微細な浮遊物が存在します。その排ガスにコロナ放電を行い、浮遊物に電荷を与えて電界を加えると静電気が発生することで、浮遊物を集塵することができます。これが排ガス処理における電気集塵の基本的な仕組みであり、詳細ページではその処理方法としての特徴や装置の種類、主な用途などを紹介します。
消石灰は、排ガス処理で使われることがある重曹よりも安価な特徴を持っており、多くの施設で利用されています。乾式には全乾式と半乾式の2種類がるのですが、この両方で活用されている素材です。
消石灰を使用した全乾式による処理では、有害物質の除去率が高い特徴があります。特に塩化水素、硫黄酸化物除去率は湿式法とそれほど変わりありません。消石灰を用いてどのように排ガスの処理を行うのか、どのような課題があるのかについて解説します。
乾式の排ガス処理で利用されることがあるのが、消石灰です。全乾式と半乾式の排ガス処理で活用されていますが、各方法でそれほど除去率は変わらず、全乾式ほうが取り扱いやすいことから日本では全乾式排ガス処理が多く用いられています。重曹に比べると薬剤費が安価である、廃液が出ないなどのメリットはありますが、課題も少なくありません。消石灰を用いた排ガス処理の特徴や、課題としておさえておきたいポイントなどについて解説します。
排ガスから生成される白煙。その正体の多くは水蒸気ということもあり、「健康被害はない」「対策は不要」という声もあります。しかしながら、もとより白煙の原因となる排ガスには、規制の厳しい窒素酸化物が含まれています。また、白煙そのものが工場の設備の老朽化を早めるという研究もあります。
ここでは、白煙がもたらす問題点や白煙の原因、白煙除去装置の概要などについて解説しています。
排ガスに含まれる主要な有害物質が窒素酸化物。光化学スモッグの原因になる物質として、日本では1970年代から排出規制が敷かれている物質です。
排煙脱硝装置とは、この窒素酸化物を分解する専用の装置のこと。規制に基づき、既に工場では多く導入されている装置となります。
ここでは、窒素酸化物がもたらす問題、窒素酸化物に関する規制、窒素酸化物を分解する排煙脱硝装置などについて詳しく解説します。
排ガス処理を考える上で、悪臭を除去するという臭気問題への対策は重要です。悪臭は周辺住民の生活環境などを汚染するだけでなく、工場で作業する人員に対しても不快感を与え、場合によってはさらなるトラブルへと発展しかねません。
ここでは排ガス装置として活用されている脱臭装置について、その特徴や製品例などを解説しています。
ごみを焼却する過程で、二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物といった様々なガスが発生します。また、ススなどのばいじんについても考えなければなりません。
ここでは、ごみ焼却処理場などで考えなければならない排ガスの成分や特徴、それぞれの除去を叶える排ガス装置などをまとめていますので参考にしてください。
半導体製造は複数の工程に分けられており、それぞれの工程において様々なガスが使用されます。そのため、半導体製造現場では必ず各排ガスに応じて排ガス装置を設置しなければなりません。
半導体製造で用いられるガスの種類や、排ガス装置として利用されている装置の事例などを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
火力発電所は小規模になるほど燃焼効率が低下して、燃料由来の排ガスなどが発生しやすくなります。また、環境省なども電力事業や発電事業への参入者を対象として、注意すべきポイントをまとめたガイダンスを公開しており、そこでもばいじんや水銀、二酸化炭素といった排ガスに関する問題が指摘されていることは重要です。
ゴミを燃やして焼却処理する上で、焼却炉は非常に重要な施設ですが、焼却処理では必ずガスやばいじん、悪臭といった問題が発生します。そのため、焼却炉を適正に管理・運営していくためにも、適切な環境に合わせた排ガス処理設備を導入することが欠かせません。
ここでは、焼却炉における排ガス処理設備についてまとめていますので参考にしてください。
製鉄加工において、鉄鉱石とコークスを混ぜて火を入れた後、鉄の不純物を除去するための工程となる「転炉」は重要です。ただし、転炉は溶けて高熱となった鉄に高圧で酸素を吹き付けて不純物を除去するという過程が必要であり、どうしても高濃度の一酸化炭素といった転炉排ガスが生じます。
そのため、製鉄工場では転炉に合わせて排ガス処理設備を導入し、ガスの除去や再利用といった工程に進めることが必要です。
清掃工場ではゴミの焼却や無害化、減容化など様々な目的の作業が行われていますが、それぞれの工程において排ガスやばいじん、悪臭などが発生しており、工程に合わせた排ガス処理の導入が不可欠です。
バグフィルターや洗煙設備、触媒反応塔など清掃工場で用いられる排ガス処理の種類やそれぞれの特徴について、詳しくまとめていますので参考にしてください。
硫化水素は条件さえ整えばあらゆる場所に発生リスクのある有害物質であり、人体にとって危険性のある有毒ガスです。また、硫化水素は人体だけでなく、金属を腐食させるため様々な製品や部品を劣化させることも問題です。
硫化水素が電子基板の銅などに悪影響を与える際の濃度はとても低く、環境に合わせた排ガス処理設備で適切に除去することが必要です。
アンモニアは人体にとって有害な物質であり、排ガス処理設備によって安全に除害することが求められます。
アンモニアの除害方法にはガス分解式やスクラバー式、燃焼除害式、そして触媒分解式といった複数の方法があり、それぞれに設備規模やランニングコスト、対応可能濃度などの条件が異なります。
まずはアンモニアの排ガス処理について把握しておきましょう。
半導体製造や液晶製造、太陽電池製造、あるいはフッ素加工製品の製造など、フッ化水素は多種多様な分野や製品に関して活用される化学物質です。同時に、フッ化水素は医薬用外毒物にも指定される危険な物質であり、適切な排ガス処理設備を導入して対処しなければなりません。
ここではフッ化水素の特徴や、フッ化水素に対応した排ガス処理設備について解説しています。
塩化水素(HCl)は塩ビ製品の燃焼や家庭ゴミなどから発生する有毒酸性ガスの一種です。塩化水素ガスの発生基準は法的に定められており、適切な排ガス処理装置などを導入することで、排ガス中の塩化水素濃度を基準値以下に抑えることが必要となります。ここでは塩化水素の除去を行うための排ガス処理装置について総合的に解説しています。
脱硫装置は硫黄酸化物(SOx)を除去するためのシステムであり、排ガス処理装置です。硫黄酸化物はかつて四日市ぜんそくや酸性雨など、全国で深刻な大気汚染や公害病といった公害問題を引き起こした原因物質です。現在でも硫黄酸化物の除去は環境保護や健康保護において重要であり、適切な脱硫装置を検討しなければなりません。