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ごみ焼却

このページでは、ごみ焼却で使用される排ガス装置やシステムについて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ごみ焼却で使用される排ガス装置の特徴

ごみを焼却することで様々な排ガスが発生しますが、その中には人体や周辺環境にとって害悪となるものも多く存在します。そのため、適切な排ガス装置をごみ焼却に導入して、排ガスをクリーンな状態にしてから排気するといったことが重要となります。

一方、導入すべき排ガス装置は、どのような成分の排ガスが発生しているのかや、どの程度の規模で排ガスが発生しているのかなどを踏まえて、適切に選択しなければなりません。

ごみ焼却で使用される排ガス装置の概要やメカニズム

そもそもごみ焼却によって生じる排ガスについては、法律などによってそれぞれの物質ごとに適正な排出濃度や排出の総量などが定められています。つまり、ごみ焼却施設に排ガス処理システムを導入する場合、発生している排ガスの量や成分などを先に把握した上で、各物質の排出基準をクリアできるように環境を構築することが肝要です。

ごみ焼却に導入される排ガス装置には、ばいじんを除去するものや酸性ガスを除去するもの、窒素酸化物(NOx)を除去する設備、さらにはダイオキシン類を除去するものなどがあります。

ごみ焼却施設で発生する排ガスとは

ごみ処理施設で発生する排ガスには、水蒸気や二酸化炭素、窒素といった通常の空気中にある成分の他にも、主に以下のようなものが含まれています。

ばいじん

ごみを燃やした際に生じるススやチリといった細かな物質が「煤塵(ばいじん)」です。ばいじんは法律によって排出量が規制されている物質です。ばいじんは排ガスをフィルター処理して、規制物質のみを濾過する集塵装置で処理されます。

酸性ガス

塩化水素や硫黄酸化物といったガスを総じて酸性ガスと呼びます。

酸性ガスの除去システムとしては、乾式法と湿式法のどちらかが一般的です。

窒素酸化物(NOx)

窒素酸化物は通称「NOx(ノックス)」と呼ばれており、排出濃度は80~200ppm程度と定められています。

NOx除去設備には燃焼制御法や無触媒脱硝法、そして燃焼制御法などがあります。

ダイオキシンなど

ダイオキシンは発がん性物質としても知られ、ダイオキシン類対策特別措置法といった法律で規制されている排ガス成分です。

ダイオキシン累の除去には活性炭吹込法と活性炭吸着法の大きく2つがあります。

ごみ焼却の排ガス処理設備の事例

各メーカーで取り扱っているごみ焼却施設向けの排ガス処理設備を紹介します。

ごみ焼却炉 排ガス処理設備(三和エンジニアリング株式会社)

都市ごみ焼却炉の排ガスを処理する設備として、専用バグフィルターを活用したシステムが採用されています。バグフィルターは、ばいじんやダイオキシン、ソックス、さらには重金属や水銀なども除去可能です。

排ガス処理設備
画像引用元:三和エンジニアリング株式会社(http://www.sanwaeng.co.jp/product2/)

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水銀除去システム(三菱重工環境・化学エンジニアリング)

ごみ焼却で発生した排ガスを監視し、水銀濃度の状態に応じて適切な量の活性炭を供給し、制御するシステムです。水銀に関する排出の規制基準を設けた上で、活性炭のロスを減らしてコストパフォーマンスも追究します。

水銀除去システム
画像引用元:三菱重工環境・化学エンジニアリング(https://www.mhiec.co.jp/jp/solution/wastetoenergy/exhaustgas/index.html)

そのほかのごみ処理に関連する処理設備の事例

メタン発酵バイオガスプラント(株式会社ハイポテック)

植物や家畜の糞尿といったバイオマスをメタン発酵させることで、可燃性ガスであるバイオガスを得られます。そしてバイオガスは火力発電などに再利用することが可能です。

ごみの種類によっては、単に捨てるよりもバイオガスなどとして応用することができます。

メタン発酵バイオガスプラント
画像引用元:株式会社ハイポテック(https://hipotech.co.jp/renewable/product01/product1/index.php)

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まとめ

ごみ焼却では様々な排ガスが発生するため、適切な排ガス装置を導入することが必須です。排ガスの成分や発生量、発生場所などを確認して、条件に応じた排ガス装置を比較検討してください。