排ガス処理専門メディア » 排ガス処理における除去タイプを解説 » 遠心分離

遠心分離

排ガス処理装置としては粉塵や粉体、ミストなどの分離除去手段として採用される遠心分離。その概要や特徴、オプションながらチェックすべきポイントなどを紹介します。

遠心分離のフロー図
遠心分離のフロー図

遠心分離の特徴

一般的な遠心分離のイメージでは水と油のような、比重の異なる液体を分離するのに利用すると言えば分かりやすいのではないでしょうか。工場でも製造工程や排水処理で利用されたり、排ガス処理目的で導入される装置もあります。
粉塵や粉体といった固形物を分離対象とするものあれば、ミスト、あるいは個体とミスト両方を分離対象とするプロダクトもあります。遠心分離装置自体、比較的構造がシンプルということもあり、メンテナンス面でも手間やコストの抑制が期待できます。
なお、遠心分離装置という表記以外にもメーカーによってはセパレーターやサイクロンといった表記を採用しているケースもあります。製品としての固有名詞というよりは製品区分の一種となっています。

排ガス処理は、除害すべき物質や対応方法によって、適した装置が変わってきます。そんな時に会社や排ガス処理装置をどう選べばいいのか、具体例と共に解説します。

排ガス処理装置の選び方を知る

遠心分離は排ガスの冷却効果も

排ガスの遠心分離装置には、任意の物質分離除去だけでなく、排ガスの冷却効果を目的として導入されるケースもあります。
基本的な仕組みとしては、排ガスと冷却水を接触させた上で遠心分離することによって、もともと排ガスに混じっていた粉体などを分離するとともに、冷却用途で使った水も分離するというもの。これも構造としては比較的シンプルで、半導体や太陽電池などの製造工場において使用される材料ガスの有害成分除去に用いられています。

遠心分離は粉体のクリーニング対策も要検討

排ガスが含塵ガスで、多量の集塵を恒常的に行わなければならない場合、排ガス処理をすると同時に分離除去した塵=ダストに対するクリーニングも検討しておくといいでしょう。
例えば、食品や金属粉、木粉などをどんどん集塵していく工場だと、分離した粉体はすぐに堆積してしまうケースが珍しくありません。集塵用遠心分離装置の中には、装置自体の自動クリーニング機能を利用できる製品もあり、メンテナンスは定期点検だけでなく日常的なケアも視野に入れておきたいところです。

まとめ

遠心分離装置は比較的シンプルな構造という点が特徴で、排ガス処理では粉塵や粉体、ミストなどを分離除去するための製品があります。機種選定では、冷却効果やクリーニング対策をオプション的要素として検討してもいいでしょう。

また、遠心分離に限らず、排ガスを処理する方法は様々です。メーカーごとに対応できる方式や製造する装置も異なるので、自社に合った処理方法を見つけるようにしましょう。排ガス処理装置を製造するメーカーを以下にまとめていますので、参考にしてみてください。

排ガス処理を依頼できるメーカー一覧